名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

プログラム

メッセージ

GTR (Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research) プログラムへようこそ。化学・生命科学分野に携わる者として、皆さんは、社会やサイエンスの発展にどのような貢献をなしたいでしょうか。国連が定める持続可能な開発目標 (SDGs) をみても、本分野が関わる課題は、産業創出・技術革新に資する物質創製、エネルギー問題、食料問題、健康推進に資する生命科学、環境問題など、多岐に渡り、複雑化しています。また、課題解決型の研究だけでなく、純粋に真理を解き明かし、サイエンスを進歩させるための基礎研究ももちろん重要です。これらの突破口を開く鍵は、一つの分野にとどまるのではなく、複数の分野の知を融合し、新地平の開拓に挑むことにあるのではないでしょうか。GTRで目指したいのは、そういった「融合フロンティアを拓き、未来の知を創出する研究人材」の育成です。

この目標のためにGTRでは、融合研究の推進を活動の中心に据えます。画期的な重要課題への主体的な取り組みを通して、その人材育成に挑みます。従来の一つの研究室にとどまり研究を推進するスタイルではなく、自身の研究を躍動感をもって発展させるために、複数の研究室にまたがり、融合研究を実施していきます。融合研究や研究室ローテーションの重要性はこれまで幾度となく言われています。しかし、言うは易しで、どこまで実効的に実施できるかが問題です。我々は、トランスフォーマティブ生命分子研究所 (ITbM) で、化学と生物学の融合にチャレンジし、「ワクワク感」を学生、研究員、教員が皆で共有し挑むことで、数々の成果をあげてきました。この「ワクワク感」こそが我々のキーワードです。GTRでも、理学、工学、生命農学、創薬科学の研究科の垣根を超え、このマインドを強く共有いただける皆さんに集まってもらいたいと願っています。

自信に満ち溢れた人材の育成には、GTR自体を誇り高い教育プログラムに作り上げることが肝要です。そのためには、次の3つのブランドを築きたいと思っています。世界屈指の研究水準に裏付けられる国際・学術的視点からのブランド、経験を共にする仲間と強力なネットワークを築くことで生まれる、学生の皆さん自身が誇りに思うブランド、GTR修了生の研究力に対する高い信頼という企業や学術関係者から見たブランドです。そして、このGTRの活動を通して、融合研究の文化を定着させ、我が国の自然科学分野の次世代大学院教育の理想形を築き上げることができればと考えています。

GTRで我々ができるのは、学生の皆さんへの「opportunity」の提供です。これを主体的な取り組みによりうまく生かし、自身の研究力を養ってください。そして、我々は常に、サイエンスをともに楽しむ集団でありたいと願っています。ぜひ、GTRで過ごす時間をともに楽しみましょう。

プログラムコーディネーター
トランスフォーマティブ生命分子研究所・教授
山口 茂弘