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名古屋大学特別教授・中西 香爾先生のご逝去を悼み
中西 香爾先生のご逝去のお知らせにふれ、謹んでお悔やみ申し上げます。
中西先生には生前、ひとかたならぬお世話をいただきました。名古屋大学化学科の大先輩として、分野融合研究の先駆者として、研究所の設立やその後の発展にも大変ご尽力いただきました。
中西先生は、円偏光二色性や核オーバーハウザー効果といった物理現象を積極的に導入することで構造的に複雑な天然有機化合物の構造決定といった難題に立ち向かわれ、イチョウから得られる ギンゴライド類をはじめ２００を超える天然物の構造決定をされてきました。
また、中西先生は単離、構造決定した天然有機化合物の生物活性の解明も行ってこられました。天然物化学を中心に物理学、生物学へ展開するといった、先生はまさに現在の分野融合研究の先駆けであり、 ITbMで展開する分野融合研究にも大きな影響を及ぼしています。
先生は平田先生追悼記念事業会の委員長に就任され、平田記念レクチャー（現：平田アワード）の運営に多大なるご尽力をいただきました。また2005年には第11回名古屋メダルセミナー受賞者として、 2010年には名古屋大学レクチャーに来学され、心に残る講演をしていただいたことが昨日のことのように思い出されます。
分野を超えて科学の真実を追求する先生の姿勢を見習い、世界を変える分子そして研究を目指して参る所存です。
先生の生前のご厚情にあらためて感謝申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
2019年4月1日
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 拠点長・伊丹 健一郎
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2019-04-01