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研究ハイライト

脳内で直接光を感知して繁殖活動を制御する脳深部光受容器を同定

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の吉村崇教授と中根右介博士らの研究グループは、鳥類の脳内で直接光を感知して、繁殖活動の季節変化を制御する脳深部光受容器を同定しました。

概要:

哺乳類以外の脊椎動物が脳深部で光を感知することは、100年以上前から知られていましたが、脳深部光受容器の実体は明らかにされていませんでした。今回、研究グループはウズラの脳深部に存在する「脳脊髄液接触ニューロン」と呼ばれる神経細胞が、直接光に応答することを明らかにしました。また、この細胞に発現している「オプシン5」という光受容蛋白質の働きを阻害すると、脳に春を告げる「春告げホルモン」の誘導が抑制されました。これらの結果から、オプシン5を発現する脳脊髄液接触ニューロンが脳の中で春の訪れを感知して、繁殖活動を制御する脳深部光受容器であることが明らかになりました。

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         ウズラ                 脳脊髄液接触ニューロンと眼の視細胞

論文情報:

"Intrinsic photosensitivity of a deep brain photoreceptor" Yusuke Nakane, Tsuyoshi Shimmura, Hideki Abe and Takashi Yoshimura, Current Biology, Volume 24, Issue 13, Pages R596-597. Selected as cover picture.

DOI:10.1016/j.cub.2014.05.038

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