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Research Promotion Division (RPD),

Institute of Transformative Bio-Molecules (ITbM), Nagoya University

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#3

● 気孔の開口を阻害する分子「SCL」

気孔は植物の表皮に存在する小さな孔で、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みや、水と酸素の放出など、植物体の通気口として働いています。気孔が開くためには、エンジンとして働く細胞膜プロトンポンプ(タンパク質)が光によって駆動される必要があります。

ITbMの研究グループは、気孔開口を阻害する化合物の探索を行い、新規分子「SCL」を発見しました。これらの分子は、気孔を閉じさせる植物ホルモンとして知られるアブシジン酸とは異なった経路で作用しており、細胞膜プロトンポンプの働きを抑制することによって、気孔を開かなくしていることがわかりました。

● 気孔を閉じることで乾燥による葉の萎れを抑制

SCLをバラやエンバク(オーツ麦)の葉に散布したところ、乾燥による葉の萎れが抑制されることが明らかとなりました。これにより、切り花や生け花の鮮度保持が容易になり、輸送コストが削減できる可能性があります。また、農作物の乾燥耐性付与剤としての応用も期待されます。

処理なし

SCL

Reference:

"Identification and Characterization of Compounds that Affect Stomatal Movements" by Shigeo Toh, Shinpei Inoue, Yosuke Toda, Takahiro Yuki, Kyota Suzuki, Shin Hamamoto, Kohei Fukatsu, Saya Aoki, Mami Uchida, Eri Asai, Nobuyuki Uozumi, Ayato Sato and Toshinori Kinoshita, Plant Cell Physiol. 2018, 59, 1568. DOI: 10.1093/pcp/pcy061

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名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)

リサーチプロモーションディビジョン(RPD)

 

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