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Research Promotion Division (RPD),

Institute of Transformative Bio-Molecules (ITbM), Nagoya University

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#4

● ストライガの発芽過程を可視化できる分子の開発に成功

アフリカで穀物生産に大打撃を与える寄生植物「ストライガ」。この植物を撲滅するためには、宿主植物への寄生の過程を明らかにする必要があります。これまで、ストライガは宿主植物が根から出す分子に応答して発芽することが知られていましたが、その分子メカニズムは解明されていませんでした。ITbMの研究グループは、その発芽過程を可視化するために、ストライガに存在する特定のタンパク質と作用すると緑色の蛍光を発する分子「YLG(ヨシムラクトン)」を開発しました。この分子を活用することで、ストライガの発芽過程の詳細が明らかになったとともに、発芽に関係する受容体タンパク質を見つけることに成功しました。

● ヨシムラクトンの開発秘話

当時大学院生であった吉村くんは、共同研究者とラーメンを食べている時に、1)宿主植物が出す発芽刺激分子の形が既存の蛍光分子のものと似ていること、2)発芽刺激分子がストライガの受容体と結合するとその受容体結合部位が分解される、この二つの性質に着目し、既存の蛍光分子に受容体結合部位をつなぐことで受容体に結合した時だけ蛍光を示す分子の設計を思いつきます。この分子の開発により、発芽時にいつどこで受容体が活性化するのかが明らかになるとともに、人工的に合成した発芽刺激分子とヨシムラクトンを競合的に用いることで、発芽刺激分子の活性度合いを測ることが可能となり、研究が一気に進展しました。

 

*伝説のラーメン会議と呼ばれています。

Reference:

"Probing strigolactone receptors in Striga hermonthica with fluorescence" by Yuichiro Tsuchiya, Masahiko Yoshimura, Yoshikatsu Sato, Keiko Kuwata, Shigeo Toh, Duncan Holbrook-Smith, Hua Zhang, Peter McCourt, Kenichiro Itami, Toshinori Kinoshita and Shinya Hagihara, Science 2015, 349, 6520. DOI: 10.1126/science.aab3831

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名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)

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