名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

活動報告

2023年度GTR成果報告会を開催しました。

成果報告会は、融合研究の進捗やGTRの一年間の活動の成果を共有するとともに、人と人とのつながりを構築し、新しい融合の可能性を見つける機会です。
今年度の成果報告には、GTR生、修了生、学内外の教員、企業関係者など約450名が参加し、交流を深めました。

2023年度GTR成果報告会 プログラム

  • 日程:2024年1月12日(金)
  • 会場:名古屋大学豊田講堂
9:30 - 9:50 開会挨拶:藤巻朗(GTRプログラム責任者)、山口茂弘(GTRプログラムコーディネーター)
9:50 - 10:25 GTR Research Award 受賞学生による講演(前半)
10:40 - 12:10 ポスター発表(前半)
13:40 - 15:10 ポスター発表(後半)
15:20 - 15:55 GTR Research Award 受賞学生による講演(後半)
16:00 - 16:40 学生による活動報告
16:50 - 17:30 特別講演:杉本 八郎(同志社大学生命医科学研究科 客員教授)
17:30 - 閉会挨拶:吉村 崇(生命農学研究科 教授)
17:40 - 授賞式・懇親会

※本イベントは、参加者全員に守秘義務を課した秘密会議扱い。

藤巻先生、山口先生からの開会挨拶

藤巻先生は開会のあいさつで年始に起きた災害に触れ、「博士人材への支援も災害の被災者への支援もどちらも同じ税金であり、研究に打ち込むこと、恐れずに新たなことに挑戦することが、社会への大きな恩返しになる」とGTR生に呼びかけました。
山口先生からは、GTRのカリキュラムについての紹介のほか、一年間の活動の成果や、学生主体の交流企画などについて紹介がありました。

GTR Research Award 受賞学生による講演

GTR Research Awardは、融合研究への取り組みや進捗が優れた学生を顕彰する制度です。2023年度は4名が受賞。以下のタイトルで講演を行いました。
各講演の座長は、昨年度のResearch Award受賞学生が務めました。

座長(前半):西山 尚来(理学研究科 生命理学領域 D2)
座長(後半):杉山 亜矢斗 (創薬科学研究科 D3)

松井 彩(理学研究科 生命理学領域 D3)
「細菌由来の免疫誘導ペプチドflg22のC末端を切り出す植物プロテアーゼの同定」
Yu Min Loh(理学研究科 生命理学領域 D1)
「ネッタイシマカの聴覚において温度感受性を制御する分子基盤」
小川 佳孝(理学研究科 生命理学領域 D1)
「小分子抗体を利用した標的タンパク質分解系「AlissAID」システムの開発」
松永 優希 (理学研究科 物質・生命化学領域 D2)
「カーボンナノチューブに対する高温安定化学ドーピング技術の確立とデバイス応用」

学生による活動報告

海外留学、企業訪問、GTR生の自主企画など、GTRでの活動について履修生が報告。自身が感じたこと、学んだことなどを、それぞれの視点で共有しました。
また、今後実施予定のGTR院生企画の告知も行われました。

座長:ヌルマニタ リスマニングシ(工学研究科 D3)

Daffa Sean ADINEGORO(生命農学研究科 D2)
「Finding Protein Crystal in Spain」
吉野 実花(生命農学研究科 D1)、桒山 翔悟(理学研究科 生命理学領域 M2)、山腰 春奈(理学研究科 生命理学領域M2)
「トヨタ紡織訪問の報告」
沖田 ひかり(工学研究科 D2)
「正しいGTR活用法 ~思ったよりも役に立つ!~ 」
石川 峻遥(生命農学研究科 M2)
「GTRワーキンググループの活動」
加藤 巧己(理学研究科 生命理学領域 M2)
「フィールドワークⅠ(干潟)」
大津 岳士(工学研究科 M1)
「研究を自ら伝える ~サイエンスコミュニケーターに学ぶ伝える技術~ 」
伊藤 海結(創薬科学研究科 M1)、鵜飼 明歩(理学研究科 生命理学領域 M1)
「機械学習 × ChatGPT」

特別講演:「創薬の楽しみ」
杉本 八郎 先生(同志社大学生命医科学研究科 客員教授)

杉本八郎先生は、エーザイ株式会社に在職中、世界初のアルツハイマー病治療薬「アリセプト」を開発されました。ご講演では、製薬企業の研究職としてのキャリアを振り返るとともに、創薬を決意した原点のエピソード、一見不可能と思われることに取り組むうえで大切にしてきたことなどを、気さくな語り口で力強くお話ししてくださいました。
80歳を過ぎてなお挑戦し続ける杉本先生から、学生も教員も大いに刺激を受けました。

GTR生によるポスター発表

ポスター発表は、1年間の研究の進捗報告の機会であるとともに、新たな融合研究の可能性を探り、自身の研究をより発展させるきっかけをつかむ場です。会場では、ポスターを前に活発な議論が行われていました。
教員と企業参加者の審査により、以下の20名にポスターアワードと企業賞が贈られました。

ポスターアワード
P-117 曽我 恭平(工学研究科 生命分子工学専攻)
P-128 前田 明里(生命農学研究科 応用生命科学専攻)
P-107 山梨 遼太朗(工学研究科 有機・高分子化学専攻)
P-109 髙橋 聡史(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P-121 西村 優利(創薬科学研究科 基盤創薬学専攻)
P-211 小川 佳孝(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P-209 労 思源(工学研究科 生命分子工学専攻)
P-213 大塚 裕記(生命農学研究科 動物科学専攻)
P-327 加藤 巧己(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P-324 森田 海斗(創薬科学研究科 基盤創薬学専攻)
P-332 廣岡 依里(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P-341 八神 祐一郎(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P-413 安藤 慶太(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P-419 中込 智也(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P-422 井上 翔理(工学研究科 生命分子工学専攻)
企業賞
P-102 松永 優希(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P-202 劉 一雄(工学研究科 応用物質化学専攻)
P-204 山田 沙絵子(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P-335 山腰 春奈(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P-413 安藤 慶太(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))

表彰式・懇親会

今年度は、コロナ禍前とほとんど変わらない形での懇親会が実現。所属や学年、分野や立場を越えて、交流を楽しみました。

参加者の声

  • 様々な方と交流することができ、また、異分野の方に研究を噛み砕いて伝える非常に良いトレーニングとなった。(GTR生)
  • かなり分野の違う先生に発表を聞いて頂き、貴重な意見が得られたと感じた。(GTR生)
  • 杉本先生はエネルギーと情熱が強い方で、圧倒された。何歳になってもチャレンジし続けていて励まされた。自分も頑張ろうと思えた。(GTR生)
  • 近い距離感で研究について議論し、それを通して交流することができてよかった。(GTR生)
  • 生命の自分の発表に対して化学や創薬の方がたくさん聞いてくださって化学や解析の視点からコメントを下さったのが良かったです。(GTR生)
  • 今回はコロナ前の雰囲気に戻り、対面で顔を合わせて、企業の方、連携機関の方、教員、そして学生が和気あいあいと交流できる機会は素晴らしかった。(教員)
  • 杉本先生の講演にとても勇気が湧いた。80代でも10年かかる臨床実験に挑戦することに感動した。(教員)
  • 後輩たちが頑張ってる姿を見ることが出来、また興味深い研究も多くあり、参加してよかった。修了生たちと会えたのも良かった。(修了生)
  • 今回初めて参加をしてみましたが、学生のポスター発表や懇親会、特別講演などそれぞれの場面で学ぶものが多くありました。他のイベントではない、交流ができたと実感しております。(企業)
  • 発表内容もさることながら、学生さんたちの質疑応答が活発で、そのやりとりを聞いているだけでも面白かった。(企業)