名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

活動報告

2025年度GTR成果報告会を開催しました。

2026年1月9日(金)、名古屋大学豊田講堂にて「2025年度 GTR成果報告会」を開催しました。本報告会は、GTRプログラムの活動状況や学生の研究成果を広く発信し、異分野融合や社会との連携を深めることを目的として毎年開催されています。今年度は「伝える」をテーマに、378名の教員、学生、企業・連携機関の方々にご参加いただき、盛会となりました。

2025年度GTR成果報告会 プログラム

  • 日程:2026年1月9日(金)
  • 会場:名古屋大学豊田講堂
9:15-9:30 開会挨拶:寺崎一郎(名古屋大学博士課程教育推進機構長/名古屋大学副総長)、木下俊則(GTRプログラムコーディネーター)
9:30-10:15 GTR Research Award 受賞学生による講演(前半)
10:45-12:15 ポスター発表(前半)
12:30-13:30 休憩・企業と学生のランチョンミーティング
13:30-15:00 ポスター発表(後半)
15:10-15:55 GTR Research Award 受賞学生による講演(後半)
16:00-16:25 学生による活動報告
16:40-17:30 特別講演:天野浩(名古屋大学・教授)
17:35- 授賞式
閉会挨拶:松田亮太郎(工学研究科・教授)
18:00- 懇親会

※本イベントは、参加者全員に守秘義務を課した秘密会議扱い。

寺崎先生、木下先生からの開会挨拶

会に先立ち、寺崎一郎先生(名古屋大学・博士課程教育推進機構長/副総長)より開会のご挨拶をいただきました。寺崎先生は、異分野融合は他者の研究の話を聞いて「面白そう」と思うところから始まると述べられ、プレゼンテーションを行う際には、自身の面白いと思うことを他者に理解してもらうこと、すなわち「自分の夢を他人の夢にすること」を心掛けてほしいと語りました。また、聞く側にとっても、他者の面白いと思っていることを自分も面白いと思えるような「共感力」が重要であると、本報告会への期待を寄せました。
続いて、GTRプログラムコーディネーターの木下俊則先生(理学研究科・教授)より、今年度の活動状況やGTR生の成果について報告が行われました。また、今年度の成果報告会のテーマである「伝える」に基づき、自身の研究を異分野の研究者に分かりやすく届けるとともに、できる限り多くの対話の時間を持つ機会となるよう、本会のプログラム構成に込めた意図について説明がありました。

GTR Research Award 受賞学生による講演

融合研究において特に優れた成果を挙げた学生6名による講演が行われました。今年度は「伝える」というテーマに沿って、座長による研究紹介を交えながら、自身の研究の意義や成果を発表。多くの聴衆を前に、自身の言葉で研究の成果をしっかりと語る姿が印象的で、質疑応答も大変活発に行われました。

座長(前半):大野 友希(理学研究科 物質・生命化学領域 D2)
座長(後半):加藤 まりあ(生命農学研究科 応用生命科学専攻 D2)

廣岡 依里(理学研究科 生命理学領域 D2)
「‟マクロファージの貪食"が駆動する細胞非自律的な腫瘍成長とその遺伝的基盤の解明」
森田 海斗(創薬科学研究科 基盤創薬学専攻 D2)
「Delgocitinib とそのジアステレオマーの立体選択的合成」
大津 岳士(工学研究科 応用物質化学専攻 D1)
「ゼロエミッションに資する融合的な排ガス浄化触媒設計戦略」
山ノ内 勇斗(理学研究科 生命理学領域 D2)
「YORU: 物体認識による行動検出とリアルタイム介入操作の実現」
黒田 琉奈(理学研究科 物質・生命化学領域 D1)
「レーザートンネル電子円二色性による分子軌道キラリティの検出」
桑山 翔悟(理学研究科 生命理学領域 D2)
「共同から融合へ:キナーゼ阻害剤を用いた孔辺細胞プロトンポンプリン酸化制御機構の解析」

学生による活動報告

GTRプログラムの特徴である「学生主体」の活動について、海外研修や学生企画の実施報告が行われました。

座長:加藤 まりあ(生命農学研究科 応用生命科学専攻 D2)

八神 祐一郎(理学研究科 生命理学領域 D2)
「ドイツ・デュッセルドルフで学んだ研究と文化」
大野 友希(理学研究科 物質・生命化学領域 D2)
「4か月間のカナディアンライフ~トラブルを乗り越えて~」
村上 凜太郎(理学研究科 物質・生命化学領域 M2)、加藤 賢(工学研究科有機・高分子化学専攻 M2)、袴田 彩仁(理学研究科 物質・生命化学領域 M2)、目黒 瑛暉(埼玉大学 M2)、安井 恭一郎(理学研究科 物質・生命化学領域 M2)、木下 裕史(理学研究科 物質・生命化学領域 D1)、黒田 琉奈(理学研究科 物質・生命化学領域 D1)、伊藤 正子(理学研究科 物質・生命化学領域 D2)
「院生企画:MD シミュレーションの入門と体験」
石川 峻遥(生命農学研究科 動物科学専攻 D2)、加藤 巧己(理学研究科 生命理学領域 D2)、桑山 翔悟(理学研究科 生命理学領域 D2)、野溝 はるな(理学研究科 生命理学領域 D2)、廣岡 依里(理学研究科 生命理学領域 D2)
「次世代講義:「フィールドワークⅡ(タンポポ)」の企画と実施」
黒田 琉奈(理学研究科 物質・生命化学領域 D1)、森下 友梨香(生命農学研究科 植物生産科学専攻 M2)
「GTR ワーキンググループの活動報告」

特別講演:「大学と社会を繋ぐ DII ―明らかになった課題および未来に向けての展開―」
天野 浩(名古屋大学 未来材料・システム研究所未来エレクトロニクス集積研究センター センター長・教授)

天野先生がプログラムコーディネーターを務められた卓越大学院プログラム「DII協働大学院プログラム」での実体験に基づき、運営を通して明らかになった大学院教育プログラムの課題や反省点について、率直にお話しいただきました。
講演では、工学系の大学院生に経営の基礎知識や教育機会が不可欠であること、また2030年以降を見据えた「ビヨンドSDGs」の社会規範とその実行に必要な人材育成のあり方について提言されました。
さらに、大学院の役割の一つは学生が「のめりこめる機会」を提供することであるとし、チャレンジしたい人が存分にチャレンジできる環境づくりの必要性について、熱のこもったお話をいただきました。
DIIとGTRでは履修対象やアプローチが異なりますが、参加者はDIIの事例から多くの示唆を得て、各々が自分の専門分野に当てはめながら、これからの研究のあり方や研究者としての社会との関わり方について考えを深めていました。

GTR生によるポスター発表

今年度は新たな試みとして「座長制」を導入。発表者は座長の進行のもと、自身の研究を短時間で要約して伝えるショートプレゼンを行い、その後ポスター会場にて活発な議論が交わされました。異分野の学生や企業研究者との対話を通じて、自身の研究を「伝える」力を磨く機会となりました。
また、教員と企業参加者の審査により、以下の学生がポスター賞および企業賞を受賞しました。

ポスターアワード
井本 大貴(理学研究科 D2)
野溝 はるな(理学研究科 D2)
濱田 安宏(理学研究科 D2)
廣岡 依里(理学研究科 D2)
大津 岳士(工学研究科 D1)
木下 裕史(理学研究科 D1)
栗田 岳歩(理学研究科 D1)
酒井 裕司(理学研究科 M2)
勝賀野 寛斗(理学研究科 M2)
野﨑 友花(理学研究科 M2)
岡村 紘太(工学研究科 M1)
茅原 果穂(生命農学研究科 M1)
松永 来実人(理学研究科 M1)
山中 寅彦(生命農学研究科 M1)
朝日インテック株式会社賞
立松 大機(理学研究科)
コニカミノルタ株式会社賞
袴田 彩仁(理学研究科)
三桜工業株式会社賞
箕浦 有紗(創薬科学研究科)
セトラスホールディングス株式会社賞
佐野 光紀(理学研究科)
株式会社日本触媒賞
大津 岳士(工学研究科)
株式会社メニコン賞
稲垣 和真(工学研究科)

表彰式・懇親会

懇親会の冒頭、寺崎一郎先生より乾杯のご挨拶があり、研究者に必要な3つの要素として「頭脳」「要領」、そして「人付き合い」を挙げられました。寺崎先生は、「人付き合い」の実践の場こそがまさにこの懇親会であると話され、「今日の懇親会だけでなく、色々な場面で懇親を深めていってください」と学生たちを激励しました。会場では、ポスター発表の議論の続きや、企業・学生・教員の垣根を越えた交流が盛んに行われていました。

参加者の声

  • 自分のポスター発表に学生や先生方、企業の方などたくさん来てくださり、色々な視点で議論ができたのでよかったです。他の人の発表は、普段触れることのない分野も多く、勉強になりました。(GTR生)
  • 今年度の研究成果やGTR活動などを知ることで、異分野の理解が深まり、化学系や生命系の研究内容への興味関心がますます高まりました。企業研究者、教員、学生といった色々な立場で専門分野も異なる方々と研究議論をすることで、多角的な視点から研究進捗を見つめ、今後の課題を明確化することができました。(GTR生)
  • GTR生達が活き活きと活動していることが分かりよかった。(教員)
  • 次回からは、弊社の若い研究員も参加させたいです。優秀な学生から刺激を受けてもらうことで、会社で研究する上でのモチベーションアップになると思うので。(企業)
  • 熱意あるポスターセッションが多く、興味深い内容ばかりであった。応用まで志向した研究が多く、感銘を受けた。(企業)