名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

EVENTS

GTR seminar / アドバンス生命理学特論

10月7日(月)14:00 より、理学部E館1階 E131室にて下記のセミナーを開催いたします。
講演題目:神経ホルモンの行動制御とその機能的起源
講演者:坂本 浩隆 准教授( 岡山大学理学部附属牛窓臨海実験所 )
使用言語:日本語
要旨:多くの動物において、生得的行動は生まれながらにして備わっており、それらをドライブする作用機序は複雑な脳神経回路系をもって形成・維持されていると予想される。さらに、各個体は生命の単位として完結した存在でありながら、単独で生命活動を営むのではなく、本能的につがいや群れをつくり、他個体との'愛着'を育みながら生きている。当然のことながら、他個体に対する愛着心は脳神経回路系の中に生じるが、どのような作用機序によって調節されているかを考えた場合、脳神経回路系の活動・システムに加え、'ホルモン'が極めて重要な因子であることにもはや疑う余地はない。
 以上の背景から、現在、私の大きな研究課題としては、個体間関係の形成・維持とその修飾・破綻における生物学的基盤の解明を目指している。さらに、神経系の中枢化が始めて起こったとされる原始左右相称動物の扁形動物ヒラムシを用いて、神経ホルモン系の起源に迫る解析も進めている。
 本発表では、私がこれまでに携わってきた神経ホルモン系の行動制御とその機能的起源に関する研究成果の一端と、今後の展望について紹介したい。