名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

EVENTS

GTR Seminar / アドバンス⽣命理学特論

1月12日(水)16時30分より、下記GTRセミナー(アドバンス生命理学特論)を開催します。
講師の藤澤遼博士は九州大学でDNA複製の研究により、博士号を取得されたのち、英国スコットランドのMRC研究所に留学され、DNA複製因子のユビキチン化による複製終了に注目して研究を行なっていらっしゃいます。イギリスはBrexitとも呼ばれるEUからの離脱やコロナウィルスの蔓延など、劇的な社会変化が起こっており、このような中での研究生活についても語っていただけると思います。ご興味のある方は奮ってご参加ください。本セミナーはE131にて対面での開催です。

日時 / Dates:1月12日(水)/January 12, Wed. 16:30〜18:00(理学研究科E棟E131)
講師 / Lecturer:藤澤 遼博士(英国MRC研究所・Protein Phosphorylation and Ubiquitylation Unit・ポスドク研究員)
題名/Title:p97/CDC48によるユビキキチン化基質のアンフォールディング反応の再構築
要旨 /Abstract: K48ユビキチン鎖修飾は、主にプロテアソームによる分解のシグナルとなる。
しかし、基質が核酸と強固に結合していたり、膜に埋め込まれていたり、複合体を形成する場合は、プロテアソームによる分解の前に、ユビキチン選択的シャペロンp97/CDC48
ATPaseによって基質は「アンフォールディング」される。真核生物のDNA複製装置もその基質の一つである。DNA複製が終了すると、DNA複製装置中のCMGヘリカーゼはユビキチン化される。p97/Cdc48は、ユビキチン結合アダプターであるUfd1-Npl4と共に、ユビキチン化されたサブユニットをアンフォールディングすることで、DNA複製装置を染色体上から除去する。
最近、私たちは出芽酵母の精製タンパク質を用いてこのプロセスを試験管再構築し、基質のアンフォールディングには、少なくとも5つのユビキチンが基質に結合していなければならないことを示した(Deegan et al.,2020, eLife)。今回は、ヒトp97複合体によるアンフォールディングの試験管再構築についての実験データを紹介する。またそこから見えてきた、ユビキチン鎖の長さ、高等真核生物特有のp97/CDC48アダプターの役割について議論したい。また、コロナ禍における海外での研究生活を自身が生活しているスコットランド、ダンディーの街と英国MRC研究所を例にあげ、紹介したい。

使用言語:日本語
問い合わせ先:西村浩平 Kohei Nishimura