名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

EVENTS

GTRセミナー

12月6日(火)14時45分より 下記の通りGTRセミナーを開催いたします。
ご興味のある方、ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。

日時 :2022年12月6日(火) 14:45 - 16:15
場所 :農学部第8講義室
言語 :日本語
講演者:⼤⾕美沙都 博⼠ 東京⼤学⼤学院新領域創成科学研究科
先端⽣命科学専攻准教授
演題 :植物の通水細胞分化を制御するVNS転写制御ネットワークの進化的変遷

陸上植物にとって通⽔細胞は、⽔やミネラルを全⾝に運ぶ重要な細胞である。
被⼦植物の通⽔細胞は道管細胞であり、その分化は、プログラム細胞死およ
び⼆次的な細胞壁の肥厚という特徴的なプロセスを経て完成する。私たちは
これまで、道管細胞分化を制御するシロイヌナズナNAC転写因⼦VND
(VASCULAR-RELATD NAC-DOMAIN)ファミリーとそのホモログVNSタンパク質
群(VND, NST/SND, SMB-related proteins)の機能解析から、VNSを基点とした
道管細胞分化の転写制御ネットワークと陸上植物における進化的保存性を明
らかにしてきた。今回は新たに、VNSの転写因⼦としての特性変化に着⽬し、
シロイヌナズナ、テーダマツ、イヌカタヒバ、ヒメツリガネゴケのVNSタン
パク質と、これらの植物種のVNS下流遺伝⼦から同定した21種のDNAシス配列
の結合親和性解析を⾏った。この結果、VNSタンパク質のDNA結合活性は植物
の系統関係を反映する形で異なることが確認された。本講演では、上記に加
えて⽐較トランスクリプトーム解析結果を合わせた考察を⾏い、陸上植物の
進化の過程でVNSの性質変化に伴い転写制御ネットワークがどのように変遷
し、通⽔細胞の進化に貢献してきたのか、議論を⾏いたい。
キーワード:
通⽔細胞;道管; VNDファミリー; VNSタンパク質; NAC転写因⼦;分⼦進化

問合せ先:中道範人(nnaka<at>agr.nagoya-u.ac.jp(<at>→@に変換))