名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

EVENTS

GTRセミナー / アドバンス生命理学特論

11月7日(火曜)16:00から、下記の通りGTR/アドバンス生命理学特論セミナーを開催いたします。
是非お誘いのうえ、ご参加ください。

演題  :膜プラットフォームとしてのCBB膜とイオンチャネル一分子解析
講演者 :老木 成稔 / 福井大学 高エネルギー医学研究センター 特命教授
日時  :11月7日(火)16:00 ~ 17:30
場所  :理学部E館131号室
講演言語:日本語
連絡先 :小嶋誠司/理学専攻 生命理学領域 微生物運動グループ
     kojima.seiji.z6<at>f.mail.nagoya-u.ac.jp (<at>→@に変換)
演題要旨:
イオンチャネルは細胞膜の環境の中でどのような影響のもとその活動を行っているのだろうか。細胞膜について、ここでは少し遠回りして、細胞膜の歴史をたどりたい。細胞膜研究の黎明期には、様々な研究者が手探りで模索し、膜実態の解明に向けてしのぎをけずってきた。当時は研究分野を画然と隔てるものがなく、自由に、黎明期のエネルギーと興奮、そしてserendipityがあった。膜のオリジンをたどることで「現代の膜学」へのアイデアや飛躍の道を探りたい。そして「カオス」ともいえる膜に対して、合成生物学的アプローチを紹介する。膜を作り、操作するcontact bubble bilayer(CBB)法は単純な脂質2重膜を組み立てていくボトムアップの手法をとる。このことで非対称膜や膜張力の測定・制御が可能になり、生体膜では得られない情報がもたらされる。そして膜学を踏まえて、膜たんぱく質の中でも最も理解が深められているイオンチャネルについて紹介したい。イオンチャネルは単分子測定(単一チャネル電流記録)の始まりとなった対象である。孤立したチャネルの活動にどれだけ膜環境が関わっているのか、単一チャネル電流などの結果を紹介する。