GTRセミナー / アドバンス⽣命理学特論
12月13日(金曜)17:30から、下記の通りGTR/アドバンス生命理学特論セミナーを開催いたします。
ATP合成酵素が回転することを、世界で初めて実験的に証明された野地先生の貴重な講演の機会です。是非お誘いのうえ、ご参加ください。
なお、本セミナーは、野依学術交流館で行われる「日本生体エネルギー研究会・第50回討論会」の基調講演として行われますことを申し添えます。
演題 :細胞エネルギー研究の展望 −我々がLUCAを超越するのはいつか?−
講演者 :野地 博行/東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 教授
日時 :12月13日(金)17:30 ~ 18:30
場所 :野依記念学術交流館 カンファレンスホール
講演言語:日本語
連絡先 :小嶋誠司/理学専攻 生命理学領域 微生物運動グループ(内線2993)
演題要旨:
私は、「生命は自然による分子工学であり、未だ進化の途上にある」という自然観を持つ。したがって、一見すると完成度の高い天然のATP合成酵素も、まだまだ機能には向上および追加の余地があるはずであり、自然がこれまで試験すらしていないデザインも膨大にあるはずだと考える。しかし、ATP合成酵素のコアとなるサブユニットは配列保存性が極めて高く、40億年前の共通祖先細胞(Last Universal Common Ancestor, LUCA)のATP合成酵素は現存のものとよく似ていた可能性が示唆されている。私は、ナチュラルヒストリー的精神からは一旦距離を置き、工学としての生体分子・生体システムを人為的に再設計することで、40億年にわたって束縛しているLUCAの設計原理を超越する可能性を模索したい。