名古屋大学 卓越大学院プログラム

トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム

Graduate Program of Transformative Chem-Bio Research

活動報告

2022年度GTR成果報告会を開催しました。

成果報告会は、融合研究の進捗を確認するとともに、人と人とのつながりを構築し、新しい融合の可能性を見つける機会です。
今年度の成果報告は3年ぶりに対面で実施。名古屋大学豊田講堂に、GTR生、学内外の教員、企業関係者、修了生などが集い、オンラインと合わせて約400名が参加しました。

2022年度GTR成果報告会 プログラム

  • 日程:2023年1月16日(月)
  • 会場:名古屋大学豊田講堂
  • 実施形態:対面およびZoomを用いたハイブリット開催
9:30 - 9:45 開会挨拶:藤巻朗(GTRプログラム責任者)、山口茂弘(GTRプログラムコーディネーター)
9:45 - 10:15 GTR Research Award 受賞学生による講演(前半)
10:30 - 12:00 ポスター発表(前半:M1生、M2生)
13:40 - 15:10 ポスター発表(後半:D1生、D2生)
15:20 - 15:50 GTR Research Award 受賞学生による講演(後半)
15:50 - 16:15 学生による活動報告、今後実施されるGTR院生企画のPR
16:30 - 17:00 特別講演:郷 通子先生(長浜バイオ大学特別客員教授、中部大学創発学術院客員教授、名古屋大学名誉教授、お茶の水女子大学名誉教授(元学長))
17:00 - 閉会挨拶:木下 俊則(トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)
17:10 - 授賞式、情報交換・交流会

※本イベントは、参加者全員に守秘義務を課した秘密会議扱い。
※情報交換・交流会は、参加者の名刺交換や交流の機会として実施。

藤巻先生、山口先生からの開会挨拶

藤巻先生からは、「分野・考え方・所属を越えた"人との交流"を大事にし、常識にとらわれない自由な発想で考えることを実践してほしい」というメッセージをいただきました。
山口先生からは、「つながる」を重視して活動してきた今年度のGTRの成果や、取り組みの工夫などが紹介されました。

GTR Research Award 受賞学生による講演

GTR Research Awardは、融合研究への取り組みや進捗が優れた学生を顕彰する制度です。2022年度は4名が受賞。以下のタイトルで講演を行いました。また、今年度は各講演の座長を歴代のResearch Award受賞学生が務めました。

劉 思雨(工学研究科 D3)「水溶性ミセル型カプセルによる積層芳香族性の実現」
座長:米村 開(2021年度GTR Research Award受賞者/理学研究科 D3)
西山 尚来 (理学研究科 D1)「異分野融合研究によるウイルス感染動態の時空間的解析」
座長:辛 洸徹(2020年度GTR Research Award受賞者/理学研究科 D3)
ヌルマニタ リスマニングシ(工学研究科 D2)「バイオイメージングのための低毒性かつ高効率な発光性多元量子ドットの開発」
座長:野場 考策(2019年度GTR Research Award受賞者/工学研究科 D3)
杉山 亜矢斗(創薬科学研究科 D2)「ペプチド・高分子ハイブリッドによる再生促進のための界面開発」
座長:前田 明里(2021年度GTR Research Award受賞者/生命農学研究科 D1)

学生による活動報告

座長:前田 明里(2021年度GTR Research Award受賞者/生命農学研究科 D1)

GTR中期留学の報告
  • 山梨 遼太朗(工学研究科 D1)「海外留学を楽しむには?やっぱり英語は必須なの?」
  • 山田 圭悟(理学研究科 D2)「オックスフォード大学短期留学体験記」

今年度、GTRの支援を受けて留学を経験した学生が、留学先での活動や留学するに至った経緯などを報告。「大学院生のタイミングだからこそ障壁が低い」「英語力のなさを気にして日本を出ないより、積極的に海外に出て、そこでしか得られない経験をした方がいい」といったメッセージとともに、他のGTR生の背中を押しました。

ベンチャー企業での活動の報告
  • 竹本 悠人(創薬科学研究科 D3)「課外活動報告」

研究室発ベンチャーでCTOを務める竹本さん。GTRで経験する異分野の研究者との議論や融合研究と、ベンチャー企業で経験する企業や投資家との交渉や議論には共通点があると紹介。「GTRで経験したことが社会でも活きると実感しており、課外活動で得られた経験も自分の専門研究に還元できると実感している」、「異分野研究だけでなく、研究以外の課外活動でも研究突破力が上がる」と、実体験を語ってくれました。

GTR院生企画の報告
「Student activity: Secret to winning the Scholarship」
  • 企画者:Chaoqi CHEN(理学研究科 D2)、Qianqian LUO(生命農学研究科 D1)、Jianhao HUANG(工学研究科 D2)、Qi MENG(創薬科学研究科 D2)、Fanjie LYU(理学研究科 D2)

昨年2022年5月に開催された「Student activity: Secret to winning the Scholarship」では、GTR生同士の縦のつながりと横のつながりを活かし、スカラーシップ採用経験者の先輩が、後輩の申請書作成にアドバイスをする機会を企画しました。(企画者による活動報告はこちらからもご覧いただけます。)

今後実施されるGTR院生企画のPR
「英語で楽しめ!研究発表」
  • 企画者:沖田 ひかり(工学研究科 D1)、稲葉 大晃(理学研究科 D1)、Daffa Sean Adinegoro(生命農学研究科 D1)、NGUYEN Quoc Viet(理学研究科 M2)、佐藤 史経(工学研究科 D2)

英語での研究発表を楽しめるようになるための基礎力をつけるイベント。2023年3月16日に開催されます。(詳細は、こちらをご覧ください。)

「サイエンスデザインアドバンスコース」
  • 企画者:中野 慧悟(創薬科学研究科 M1)、田中 良來(理学研究科 D1)、稲葉 大晃(理学研究科 D1)、八神 祐一郎(理学研究科 M1)、野溝 はるな(理学研究科 M1)

サイエンスのグラフィック作成を講義+ハンズオンで学ぶGTRの人気講義の応用編。2023年2月22日と3月8日に開催されます。(詳細は、こちらをご覧ください。)

特別講演:「遺伝子にイントロンが存在することの意味は?」
郷 通子先生(長浜バイオ大学特別客員教授、中部大学創発学術院客員教授、名古屋大学名誉教授、お茶の水女子大学名誉教授(元学長))

イントロンは、真核生物の遺伝子に存在する、タンパク質に翻訳されない塩基配列で、1977年に発見されました。郷先生は、この一見無駄なように思える生き物の仕組みが、なぜ必要なのかという問いに取り組んでこられました。
キャリアの中で、物理学・化学・生物学の分野を渡り歩いてこられた郷先生。異分野融合の先駆けともいえる研究者としてのキャリアをふりかえりながら、「なぜ」を追究する研究の面白さを語ってくださいました。

GTR生によるポスター発表

3年ぶりの対面開催となったポスター発表は、例年より時間を拡大し、午前午後ともに90分の時間を確保。会場では、時間いっぱいまでディスカッションが続いていました。
各学年のポスター賞受賞者は下記の通りです。今年度は、企業からの参加者の投票による企業賞が新たに設けられました。

ポスターアワード受賞者:M1
P427 山腰 春奈(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P411 浅田 雄一(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
P419 加藤 巧己(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
ポスターアワード受賞者:M2
P312 Loh Yu Min(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P304 梅本 駿(工学研究科)
P310 伊藤 史哉(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域))
ポスターアワード受賞者:D1
P205 沖田 ひかり(工学研究科)
P209 三浦 裕太(工学研究科)
P213 河野 英也(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)
ポスターアワード受賞者:D2
P114 松井 彩(理学研究科 理学専攻(生命理学領域))
P127 吉田 純生(生命農学研究科)
P119 栗本 道隆(創薬科学研究科)
企業賞
P402 木倉 健翔(工学研究科 M1)
P420 光崎 嘉恭(理学研究科 理学専攻(生命理学領域)M1)
P421 野溝 はるな(理学研究科 理学専攻(生命理学領域)M1)
P301 劉 一雄(工学研究科 M2)
P308 加藤 智紀(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)M2)
P311 山田 沙絵子(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)M2)
P317 大塚 裕記(生命農学研究科 M2)
P214 松永 優希(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)D1)
P217 田中 良来(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)D1)
P222 西山 尚来(理学研究科 理学専攻(生命理学領域)D1)
P228 西村 優利(創薬科学研究科 D1)
P231 大江 史花(生命農学研究科 D1)
P111 飯野 翼(理学研究科 理学専攻(物質・生命化学領域)D1)

表彰式・情報交換・交流会

Research Awardの受賞者とポスター発表アワードの受賞者に表彰状が贈られました。皆さんおめでとうございます。

感染対策に配慮しつつ、久しぶりの対面での交流を楽しみました。