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上川内あづさ理学研究科教授 兼 ITbM主任研究者が第45回「猿橋賞」を受賞しました

上川内あづさ名古屋大学理学研究科教授 兼 トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)主任研究者が第45回「猿橋賞」を受賞しました。この賞は、1980年設立の一般財団法人「女性科学者に明るい未来をの会」により、自然科学分野で優れた研究業績を挙げた50歳未満の女性科学者に毎年贈呈される学術賞です。
上川内教授は、神経科学・生命科学の重要なテーマの1つである聴覚情報処理システムの理解において、独創的研究成果を挙げたことが評価されました。
受賞題目 「昆虫脳における聴覚情報処理原理の解明」の一連の研究において、モデル動物ショウジョウバエの神経情報処理の仕組みを明らかにしました。触角にある「ジョンストン器官」でまとめて受け取った重力情報と聴覚情報は別々の神経回路に送られ、異なる情報処理が行われます。これは、ヒトが耳を通して受け取る聴覚情報と平衡覚情報を異なる脳部位で情報処理する仕組みと類似しており、動物種を超えた聴覚情報処理の原理の理解につながることが期待されます。また、コンピュータ科学と神経科学の融合を進め、画像認識アルゴリズムを利用した聴覚行動解析プログラムの開発に成功し、ハエの正確な行動解析を可能にしました。
さらなる研究の発展、後進育成への期待に対し、上川内教授は以下のように話しました。 「皆が疑うような発想でも、信念を持って結果を積み重ねることで、やがて認められてきました。自分の代わりはいない、そう思える自然科学の研究はとても面白いです。今回の受賞が、これから活躍する研究者の皆様にとって少しでも励みになれば嬉しいです。」
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