研究ハイライト

昆虫の体内で機能性分子ナノカーボンを合成 ~ウンチのなかに新機能性物質~

理化学研究所(理研)開拓研究所伊丹分子創造研究室の伊丹健一郎主任研究員(環境資源科学研究センターチームディレクター、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)主任研究者)、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の宇佐見享嗣特任助教(高等研究院YLC教員)、藤本和宏特任准教授、柳井毅教授、名古屋大学大学院理学研究科の河野英也博士後期課程学生(研究当時)、オースティン・ビック博士前期課程学生らの共同研究グループは、昆虫が持つ異物代謝の仕組みを利用して、その体内で機能性分子ナノカーボンを合成させることに初めて成功しました。
人工飼料に混ぜた分子ナノカーボンを昆虫に食べさせ、昆虫の排せつ物から蛍光特性などの新しい機能を付与した物質を得ることができ、昆虫内ナノカーボン合成が実現しました。さらに、実験化学・計算科学的手法を駆使することで、反応メカニズムを明らかにしました。
このような昆虫内ナノカーボン合成は、分子合成において新たな選択肢を提供し、非天然分子の発見や開発、応用につながるものと期待されます。本研究は、科学雑誌『Science』オンライン版(6月5日付:日本時間6月6日)に掲載されました。

 

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